離婚後に食欲がないときは無理して食べない方が良い

今回は離婚後のストレスで食欲がなくなってしまったときにどうすればいいかについて書きたいと思います。ストレスが食欲減退に影響のない人にとってはあまり参考にならないかもしれません。けいたの場合、別れてからちょうど5ヶ月ほど経ったころ、出張帰りに一人ぼっちで家に帰宅したことが引き金となってしばらく全く食事を取れなくなってしまいました。

初めのうちは仕事のプレッシャーで少し食欲が無い程度でしたが、そんな状態を誰にも気付いてもらえない状況に次第に焦りを感じるようになっていきました。当時のけいたは家と仕事の往復を繰り返す毎日で、もし仮に自分が体調を壊して死にかけたとしても誰も知らないまま孤独死するのではないかという不安にかられてどうしようもない気持ちになってしまいました。特に仕事柄、けいたは普段あまり人に会わなかったため余計にそう感じていました。

1カ月ほど食欲が全くない状態が続き、得体の知れない何者かに胃をギュッと握られているような感覚に苦しめられました。食欲が全くわいてこないので食事は流動食か水だけになります。それでも仕事は日に増して忙しくなり、余計に「食べなければ!」と焦ってしまい、そのことがさらに食欲を減退させる原因になっていました。毎日野菜ジュースやゼリーだけを口にして、酷いときは水だけで1週間ほど過ごしました。固形物を食べていないにも関わらず消化器官ははたらいているので酷い下痢も繰り返しました。

当然ですが、そんな毎日を繰り返していると身体がもたなくなります。ある日、朝目が覚めると身体が全く動かなくなっていることに気が付きました。力を入れても身体が布団から起き上がらないのです。このときは本当に気持ちの悪い冷や汗をかきました。生まれて初めて餓死というものを意識しました。それでもけいたは誰にも頼れない・・・そんなことを考えていました。今思えば真面目過ぎました。

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目次

何よりもまずは休むことが先

それでけいたが何をしたかというと居てもたってもいられず実家の母へ連絡しました。突然の連絡に母は驚いていましたが、「離婚してそうならない方がおかしい」「なんでもっと早く連絡しなかったのか」と言われました。そして車で2時間ほどかかる(高速道路を使って)にも関わらず実家から迎えに行くとまで言ってくれました。でも逆に還暦を超えた母に一人で運転をさせることが心配になってしまい、何とか強引に自力で行くと伝えました。このとき他人の心配ができるほどまだ自分に余力はあったのだと気づきました。

その日は何とか自分を奮い立たせ、新幹線に飛び乗り、フラフラの状態で実家へ帰りました。道中、何を考えていたのかは全く覚えていません。チョコレートくらいはつまんだと思います。おそらく鬱病の方はこんな感じなのかなという程度のことは考えていました。実家へ帰るだけなのに本当に大袈裟です。でも当時は車で2時間の距離が太平洋を横断するほどの距離に感じていました。

実家へ着くと安堵からか泣き崩れてしまいました。恥ずかしい話ですが、30歳を過ぎた成人男性が子供のように泣いてしまいました。母はほとんど何も言わず、質問もなく、とりあえずお風呂へ入って湯船につかってゆっくりしなさいとだけ言いました。全身が温かいものに包まれるだけでも精神的に楽になるからと。お風呂から上がると母は、「とりあえず何も心配しなくていいから徹底的にダラダラしなさい」「無理したらダメだし、そんな自分を責めてもいけないよ」とだけけいたに伝えるのみでした。

そしてその週の仕事を全てキャンセルしました。どうしてもキャンセルできない場合は、代理を見つけました。けいたの代わりになっていただいた方には本当に平謝りでした。しかし、そのとき言われた言葉が

けいたさんがいつもはたらき過ぎなくらい頑張ってることは皆周知の事実ですので仕事のことは忘れてとことんのんびりしてください

でした。本当に泣きそうなくらいうれしかったです。普段、あまり人に会わないにも関わらず職場関係の方々はけいたのことを見てくれていたのでした。

けいたの状態を見て、母はおかゆを作ってくれました。それでもけいたはスプーン2杯ほどのおかゆを口にして、それ以上は食べられませんでした。そんな状況が3日ほど続きました。あまりにも食欲がわかなかったため病院へ行きました。診断結果は急性胃腸炎の可能性あり。可能性ありというのは胃カメラなどで正確に調べたわけではないのでわからないが、おそらく胃が荒れているから軽く胃腸炎になっていると思うよ・・・という意味でした。そして薬も飲みながらしばらく様子を見ることにしました。

夜も眠れず、食欲もわかず、廃人のような時間を過ごしました。しかし、ここであることに気がつくのです。

自分の脳みそが段々とネガティブなことを考えないようになってきている

これは正確に言うと、栄養失調と睡眠不足から頭に栄養が回らなくなってきてボーっとする時間が増えてくると言ったほうが近いかもしれません。これまた大袈裟ですが、身体の次はついに頭が停止するのです。そうなると何が起こるかと言うと、考えることを止めるので当然良いことも悪いことも考えなくなります。そうするとどうしたものか心が勝手にスーッと楽になってきます。このときばかりは自分の中で新たな発見があり、とても感動したことを覚えています。仏教で言うところの大阿闍梨も修行で同じような経験をしているのかも?と思いました。

食欲が無いときはトコトン食べない方が良い
行き着くところ(限界)まで行けば良い

ということです。

肉体的な刺激を自分に与えた方が良い

これはうつ病に対する対策に少し似ているかもしれません。よく精神的に落ち込んだら運動しなさい、というようなことが言われたりしますが、けいたもあながち間違っていないと思っています。というのも、精神的に落ち込んでいるときは、脳みそが考えることばかりにエネルギーを費やしがちなため、起きてもいないネガティブなことをたくさん考えてしまうからです。

そういうときは、心に向けられていたエネルギーを肉体に向けると意外にも精神的に楽になることがあります。スポーツが趣味の人は、もちろんそれに打ち込めると良いのですが、普段からあまり運動をしない人であっても、例えばちょっと近所を散歩してみるとか、いつもは車で移動するところを歩いてみるとか、どんなことでも良いので体を動かすことを意識してみると良いです。要するに、「身体を疲れさせる」ということが大事なのです。

それでも、運動自体が好きじゃない・・・という人もいるかもしれません。でもそういう人は例えば、暑いお風呂に少し長めに入ってみる、サウナに行って汗をかく、とかでも結構効果があったりします。けいたは時々嫌なことがあったりしたら、暑いお風呂に少しだけ長めに入ってわざと汗を多めにかくようにしています。そうすると、身体が火照って何だか少し肉体的に疲れた状態に近くなりますので、意識が身体に向きやすくなります。気付いたときには、いつの間にか寝てしまっていて気付いたら朝、なんてこともあります。

皆さんも、もし気持ちが滅入ってしまいどうしようもない時は、「肉体的な刺激を増やす」 ということを大事にしてみてはいかがでしょうか?

肌が綺麗になる?

食べるという行為は人間が生命を維持するために必要なので食べないことはもちろん良くない結果をもたらすこともあります。でも、必ずしもいつも身体に悪い影響を与えるとは限りません。これは人によって異なるかもしれませんが、けいたの場合、不思議なことにこれだけまともに食事を取らなかったにも関わらず何故か肌が少し綺麗になりました。もしかすると飽食の現代では不要な栄養素を取りすぎたために肌に影響を与えているのかもしれません。けいたはある意味で自然に「断食」をしたことによって本来の肌の状態へ戻すことができたのかもしれません。

断食をすると、胃に使われていたエネルギーが他の臓器に使われて体調が良くなる・・・と言われることがありますが、あながち間違っていないのかもしれません。ただし、何事もバランスが大事ですので、当然ながら完全に食を断ってしまうと人間は色んな不調が生じ、いずれ死んでしまいます。あくまでもほどほどに断食するのが良いのだと思います。

この経験を経て以来、仕事や人間関係などで嫌なことがあって食欲が減ってしまっても、「また努力しなくても断食できる!」と思うようになり、ポジティブな捉え方をするようになりました。本来、断食は人間の三大欲求の一つである「食」を断つことですので非常に辛いことであるはずです。しかし、ストレスが原因で食欲が減退している時はこの欲求がなくなるため、努力しなくても断食できてしまうのです。このことも自分にとっては新たな発見でした。

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