今回は、けいたが結婚直前に体験した「この人と本当にこのまま上手くやっていけるのだろうか?」と不安になってしまったときのことについて紹介したいと思います。婚約中の女性が結婚相手やその後の結婚生活に不安を抱くことをよくマリッジブルーと表現しますが、これは決して女性だけの話ではありません。
この人と結婚して本当に良いのか?なんて結婚もしていないのに考えだしたら、いつまで経っても結婚できないわけですが、けいたの場合、今思い返せば離婚に至りそうな予兆とも言える出来事が結婚前後に起こっていました。ある意味、この後色々と揉めそうだなと思えるようなサインとも言えます。
でも、両親への挨拶や結婚式も済ませたし、同棲を始める住まいや家具家電なども着々と準備が進んでいたため、ほとんど後戻りができない状況でした。何より、一般的には結婚って前向きな出来事なので少々気になることがあっても目をつむりがちになります。冷静に考えれば、「それってこの先一緒に夫婦生活を共にする上で難ありじゃないの???」と思えそうなことがあっても、ついついそんなものかな?なんて見過ごしてしまうのです。
それに、けいたも結婚をしたときは20代だったため人生経験もそれほど豊富ではありません。結婚相手として何が大事で、お互いにどのような点に気をつけなければならないかなんて全くわかっていませんでした。そんなこと言ったら皆未熟な状態で結婚するため、成熟していない若者は結婚してはいけないのか?となりそうですが、もちろんそうではありません。結局はお互いが未熟であっても、それを認め合い、励まし合い、共に成長できるかどうかだと思っています。理想なので現実はそう甘くはないんですけどね・・・(苦笑)。
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結婚式と入籍のタイミング
パートナーとの結婚が決まると、まず式をするのか?入籍はいつにするのか?いつから同居を始めるのか?など色んな話し合いをすることになります。これについては特に決まったパターンは無く、本当に夫婦によって千差万別だと思います。①まずは同棲を始め、ほとんど事実婚状態になってから入籍をし、色々と新生活が落ち着いた頃に挙式を行う夫婦もいれば、②先に結婚式を挙げて、その後に籍を入れ、一緒に住み始める夫婦もいます。結婚式当日に入籍する人たちもいるでしょう。もちろん、籍だけを入れて挙式を行わない夫婦もたくさんいますし、挙式だけを行って籍を入れないなんてこともあります。これら以外のケースもあると思います。
ちなみに、けいたの場合は②でした。理由はわかりませんが、元妻は結婚前の同棲を断固反対する人で、結婚式前の入籍に対しても「全く理解できない」といつも言っていました。正直、けいたは①のように結婚式前に入籍をして、煩雑な手続きを先に済ませる方がしっくりきていたのですが、そうでないと絶対駄目なほど強いこだわりも無かったので、元妻の意見を優先していました。
その後、結果として挙式を行った3ヶ月後に正式に役所に婚姻届を出し、無事に法的にも夫婦として認められました。でも、ここで気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?そう、3ヶ月後という点です。
挙式後に何故か入籍をためらい突然大泣きしだす元妻
無事に結婚式を終えた翌日からけいたと元妻は同棲を開始したのですが、初めのうちはお互いの仕事の合間に、ご近所さんへ挨拶周りをしたり、買い忘れた家具や家電を揃えたり、忙しい毎日を過ごしていました。そうやって淡々と毎日が過ぎ去っていったのですが、けいたはずっと婚姻届を出していないことが気がかりでした。
いつまで経っても元妻から婚姻届の話題が出なかったため、挙式後2〜3週間ほど経ったころに婚姻届をいつ出しに行くか?という話題をけいたから持ちかけます。すると、元妻からは、
急ぐ必要もないし、まだいいんじゃないかな?
という返答が返ってきたのでした。多くの場合、女性は姓が変わるため、色々と面倒な行政手続きが多く、このときのけいたはちょっと元妻の腰が重くなっているのかな?くらいにしか思っていませんでした。たしかに、忙しい仕事の合間に時間を作って住民票、運転免許証、生命保険、銀行口座、パスポート、クレジットカードなどの手続きをするのは面倒くさいですからね。(この点については早く夫婦別姓を日本も認めたら良いのに・・・なんて思っています)
しかし、そこからズルズルと何も行動に移さない日が続き、結局3ヶ月が経ちます。結婚式も行ったので、さすがにこのまま入籍しないのはどうなんだろう・・・と思えてきたので、元妻はもしかしたら法的な婚姻ではなく事実婚を求めているのかもしれない、なんてことも頭をよぎっていました。いくら面倒くさい手続きがあるとは言えども、婚姻届は24時間役所で受け付けてもらえますし、配偶者控除などの税金の問題や職場の福利厚生などにも影響します。
そこで、けいたは元妻に話をして、
先にとりあえず婚姻届だけは出しておいて、
他の手続きは少しずつ進めていこう!
と提案したのでした。そして日時を決めて、婚姻届を提出しに行くことになります。
一度でも結婚経験のある方であればご存知だと思いますが、婚姻届には証人、結婚後の姓をどうするか、本籍地をどこにするか、などの記入欄があります。証人についてはそれほど問題ではなく、基本的に20歳以上であれば誰でも良いので、けいたは昔からの友人にお願いしたのですが、思わぬところに問題が潜んでいました。それは苗字や本籍地です。
結婚がちょうど決まるころ、元妻は「苗字も変わるのか〜」なんて会話の節々で言っていたので(しかもウキウキした様子で)、自然に苗字が変わることを受け入れているとけいたは思っていました。でも、実際に婚姻届に記入し、提出しに行った当日、いざ役所の前に立つと、入口で突然元妻が大泣きします。
けいたは、突然のことに「え!!!???なになに!!??」と驚いてしまったのですが、しばらく元妻は立ち止まって顔を下に向けてひたすら泣いていました。すれ違う他の人からは、「どうしたんだ、女性を泣かせちゃだめだろう」と言わんばかりの眼差しを注がれ、けいたも理由がわからず、ただ「大丈夫?体調悪くなったのかな?ちょっと休もうか」なんて声をかけていました。
とりあえず、役所の長椅子に腰をかけて、何があったのか元妻に尋ねてみることにしました。すると、
苗字や本籍地を変えたくない!
もし変えるのなら結婚しない!
と言い出すのでした。
正直、このときのけいたは「え!?今更なに!?」と思ってしまいました。婚姻届を書く段階でそんなことはわかっていたので、相談があるならもっと早くできるはずです。こんな直前になってそんな大事なことを突然言われても・・・と困り果ててしまいました。しかも理由は自分でもよくわからない・・・とのことでしたが、話を聞くうちに何となく今まで慣れ親しんできた苗字を手放すことや本籍地を離れることに寂しさや名残惜しさのようなものを感じてしまった様子でした。
けいたは、自分の苗字に対してそれほど強いこだわりがなかったのと、今となっては古い考えかもしれませんが自分自身は次男なので、けいたが苗字を変えようか?と提案してみました。しかし、少し黙った後、それもイヤ!と言い出すのです。「もう、どっちなんだんだよ!」といった状況でした(笑)。
最終的に、元妻がけいたの苗字に合わせる形になり、本籍地はけいたが元妻に合わせる形になりました。とは言っても、当たり前ですが、結婚をすると夫婦どちらも新たな世帯を作ることになりますので、両方が親の戸籍から外れて新たな戸籍を作ることになるんですけどね。それでも、元妻は本籍地の住所に強いこだわりを持っていたようで、絶対に変更しようとしませんでした。
この一連のやりとりを通して、いきなり新婚からトラブルかよ・・・と思ってしまい、その後の不安を隠しきれなかったことを今でも覚えています。
何かに異常に固執する場合は気をつけた方が良い
結婚前にその人と夫婦になっても良いかどうかを判断する基準として、「何かに対して強いこだわりがあるかどうか?」ということが挙げられると思います。これはモノに対する執着なのか、コトに対する執着なのか、色々考えられるかと思いますが、けいた個人としてはどちらかというとコトへの執着の方が危険な気がしています。
もちろんモノに対する固執、執着、依存も決して度が過ぎると良くはありませんが、コトに対する執着の場合、目に見えません。生活レベルに対するこだわり、住む場所に対するこだわり、人付き合いに対するこだわり、教育に対するこだわり、などなど、例を挙げればキリがありませんが、これらは目に見えないがために言葉で表現してお互いに会話のキャッチボールをしないと認識できません。自分でも気づいていなかった・・・なんてことも十分あり得ます。
そして、この「こだわりが強い」ことは何を意味するかというと、「精神的に不安定になりやすい」ということです。人間はこだわりを持つからこそそれに向かって頑張れますので、全くこだわらないのは良くないと思いますが、強い固執や執着はそれらが実現しなかったときにとてつもないストレスを当事者に感じさせます。そしてそのストレスの矛先は結婚生活であれば配偶者に向かいます。そうするとそれが喧嘩の原因になり、積もり積もって夫婦のすれ違いへと発展する可能性があります。
このようなこだわりが強過ぎる人間は男女問わず、神経質で被害意識が強く完璧主義者であることが多いです。しかもそのせいで普段はあまり本性を表に出さないため、周りからの評判が良かったりもします。このような性格の人は、細かいところまで注意が行き渡って仕事上で爆発的な効果を発揮することがあるため、一概に欠点とは言えません。しかし、人生を共にするパートナーとしての視点で見ると柔軟さが足りないと感じてしまい、疲れてしまうかもしれません。
最終的には相性の問題
散々元妻が悪いかのような書きぶりでしたが、客観的に見ればこれらの出来事は単純に良いとか悪いとかいう話ではないことに気付かされます。何かに対するこだわりは別に本人たちがそれで良ければ全く問題ないからです。こだわるポイントが夫婦で同じであれば、仮にそれを実現できなかったとしても、何とかそれを達成するために夫婦で協力したり、別の道を探ったりできるはずです。問題はそのこだわるポイントが違い過ぎたり、程度が過ぎる場合です。
何かに異常に固執する場合は気をつけた方が良いとは言いましたが、周りから「それって執着しすぎじゃないの?」と心配の声を聞いたとしても、自分が不自然だと感じることもストレスも無く過ごせれば良いですし、それによって普段の生活に支障がなければ2人のことなのでもうそれ以上は何も言えません。若いうちは顔が良いとか、お金があるとか、そういった表面的なことばかり気になってしまいますが、2人の相性が良いということの方が結婚生活では大事になってきますので、それを結婚前に判断する一つの基準として「お互いのこだわりポイントに違和感を感じないか?」ということを一度考えてみても良いかもしれませんね。