「3組に1組が離婚する」は本当?

こんにちは!けいたです!今日は日本の離婚率について考えてみたいと思います。

最近、離婚についてよく耳にする、

3組に1組の夫婦が離婚する

という説。これってはたして本当なんでしょうか?昨今たしかに離婚は珍しくないとは思いますが3組に1組も離婚していたら周りはバツイチだらけになるはずです。でも実際はそんなことありません。けいたの学生時代の既婚の友達はまだ一組も離婚していません(もちろん今後はわかりませんが)。

この3組に1組という数字は、単純にその年の婚姻数と離婚数から算出されています。例えば、厚生労働省の人口動態統計特殊報告によると、2018年の婚姻数は586,481件、離婚数は208,333件。これらを単純に割ると、

208,333÷586,481×100=35.5%

という結果になります。これを見て「えっ、離婚は3割以上もあるの!?(10組に3.5組)」となるわけです。

でも、ちょっと待ってください!

この離婚数はたしかにその年の離婚の数です。そして、この中にはもちろんその年に結婚した夫婦も含まれているはずです。でも、当然熟年離婚だって含まれているわけです。208,333組の中には、10代で授かり婚をしてすぐに別れたケースもあれば、40年連れ添って夫の定年退職を機会に離婚というケースだってあるわけです。つまり、正確な離婚率を表しているとは言えません。

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目次

離婚の絶対数は減っている

しかも、年々婚姻数は減っているのに離婚数は上昇しているため、余計にこの割合は高くなり、あたかも離婚率が上昇したように見えてしまいます。でも、実際には離婚の絶対数自体は減っています。

離婚数自体は2002年の29万件を頭に下がり続け、2018年には20.8万件にまで減っています。ただ、これも上で述べたように婚姻数自体が減っているから離婚数自体も減っていると捉えることもできます。2001年には80万件もあった婚姻数が2018年には58万件にまで減っています。若年層の人口が減り続けているので、これも当然なことのように思います。

つまり、昔の世代の(生涯未婚率が低かった時代の)夫婦はたくさんいるにも関わらず、ただでさえ人口が少ない若者たちはあまり結婚せず、熟年夫婦たちはそれなりに離婚していて、若年層も結婚した人たちはそれなりに離婚している…といった状況なのだと思います。

本当の離婚率

もちろんこれは「離婚率」というものをどう定義するかによりますので、

ある年の離婚の数÷その年の婚姻数×100で計算した値を離婚率とするんだ!

と言ってしまえばそれまでです。でもこれでは何だかスッキリしません。

では、本当の離婚率とは一体何なんでしょうか?今年結婚した夫婦が死ぬまでに何割離婚するか?ということがわかれば良いのですが、そんなデータは存在しません。

ちなみに厚生労働省の人口動態統計のデータによると、離婚率は16.8。あれ以外と少ない?と思った方もいるかと思います。

でも、これはその年の有配偶者人口1000人のうち何人が離婚したかを表しています。つまり結婚している人が1000人あたり16.8人離婚していることになります。この数字、実は1990年には8.1だったのが、2005年には16.2とわずか15年間で2倍になり、その後はあまり変化せずに横ばいになっています。つまり、確実にこの30年間で離婚が増えているということに間違いはなさそうです。

100人に1人か2人くらいのペースで毎年離婚している計算になりますので、例えば今いる会社やその事業部が100くらいの規模だとしたら、毎年誰かは1人か2人くらい離婚していることになります。5年間では5から10人くらい離婚するペースです。そう考えるとたしかに離婚って多くはないけど決して珍しいことではないな、ということがわかると思います。

ただし、本当の意味での離婚率を計るなら、1組ずつの夫婦を死ぬまで追い続けなければなりません。そんなことしていられませんよね。そこで、もう少し掘り下げて(結婚して5年以内の夫婦に着目して)調べて見たいと思います。

荒っぽく計算すると10組に1組が離婚?

例えば「同居期間別離婚件数の年次推移」というデータを調べると、2017年に離婚した夫婦は212,262組いるのですが、これを同居期間別に分けると、

5年未満:66,491組
5〜10年未満:42,333組
10〜15年未満:28,226組
15〜20年未満:22,950組
20年以上:38,285組

同居期間不詳:13,977組

となっています。とても乱暴な計算にはなってしまいますが、5年前である2012年に結婚したカップルの数を調べると、単純に5年以内の離婚率を計算できます。2012年の婚姻数は668,869組(このうち初婚の数は494,749組ですが、ここではバツ2、バツ3もあり得るためこのまま計算)なので、これらの夫婦が2017年までに離婚した割合は、

66,491÷668,869×100=9.94%

となります。つまり、約10組に1組が5年も経たずに離婚することになります。ただし、2012年から2016年までに離婚した夫婦もいると思いますが、ここではあくまでも2012年に結婚したカップルのうち66,491人が5年後に同時に離婚したと仮定していますので注意が必要です。2013〜2017年に結婚した夫婦が2017年に離婚する場合だってあるわけですからね。でも、1000人あたりの離婚率が5年以内であればそれほど変化がないため、けいたはあながち間違っていないのではないかと考えています。

約10組に1組が離婚

どうでしょうか?これだとなかなかリアルな数字ではないでしょうか?

さらに細かく調べると、15組に1組?

さきほど、2017年に離婚した夫婦212,262組のうち、5年未満に離婚した夫婦は66,491組であるということを書きましたが、もっと細かく婚姻期間別に見ていくと以下のようになります。

1年未満:12,895組(2016〜2017年に結婚)
1年以上~2年未満:15,282組(2015〜2016年に結婚)
2年以上~3年未満:14,310組(2014〜2015年に結婚)
3年以上~4年未満:12,783組(2013〜2014年に結婚)
4年以上~5年未満:11,221組(2012〜2013年に結婚)

こうしてみると5年未満の範囲であれば、結婚後1年以上3年未満の夫婦が最も離婚していることがわかります。そしてこれは全離婚の中で最も高い割合でもあります。25歳から35歳までの離婚が最も多いという事実がこのデータからもわかりますし、若いうちに離婚するケースがいかに多いか、ということを物語っています。

さらに、各年の婚姻数はというと、

2017年:606,866組
2016年:620,523組
2015年:635,156組 
2014年:643,749組
2013年:660,613組
2012年:668,869組

という結果です。このデータから以下のように離婚したと仮定します。

2016年に結婚した夫婦620,523組が2017年に12,895組離婚
(1年未満の離婚率:2.1%)
2015年に結婚した夫婦635,156組が2017年に15,282組離婚
(1年以上~2年未満の離婚率:2.4%)
2014年に結婚した夫婦643,749組が2017年に14,310組離婚
(2年以上~3年未満の離婚率:2.2%)
2013年に結婚した夫婦660,613組が2017年に12,783組離婚
(3年以上~4年未満の離婚率:1.9%)
2012年に結婚した夫婦620,523組が2017年に11,221組離婚
(4年以上~5年未満の離婚率:1.8%)

さらに、これが2012年から同じ割合で2017年まで続いたと仮定すると、

2012〜2017年までの間に結婚した夫婦が2017年に離婚した割合:
2.1%(2016年結婚)+2.4%(2015年結婚)+2.2%(2014年結婚)
+1.9%(2013年結婚)+1.8%(2012年結婚)=10.4%
2012〜2016年までの間に結婚した夫婦が2016年に離婚した割合:
2.1%(2015年結婚)+2.4%(2014年結婚)+2.2%(2013年結婚)
+1.9%(2012年結婚)=8.6%
2012〜2015年までの間に結婚した夫婦が2015年に離婚した割合:
2.1%(2014年結婚)+2.4%(2013年結婚)+2.2%(2012年結婚)=6.7%
2012〜2014年までの間に結婚した夫婦が2014年に離婚した割合:
2.1%(2013年結婚)+2.4%(2012年結婚)=4.5%
2012〜2013年までの間に結婚した夫婦が2013年に離婚した割合:
2.1%(2012年結婚)

という結果になります。ということは、

2012年〜2017年の間に結婚した夫婦が2017年までに離婚した割合は、単純計算で、

(10.4+8.6+6.7+4.5+2.1)÷5=6.46%

となり、約15組に1組になります。もちろんこれは毎年母数が変わるはずですので正確な数値を表しているとは言えませんし、2012年〜2017年の間に同じ人が何回も結婚と離婚を繰り返している可能性だってあります。でも、各婚姻期間別の離婚夫婦が毎年同じ割合でカウントされていくと仮定すると、5年という期間に限定して言えば、「離婚率=15組に1組」ということになります。これは皆が同じ地点からスタートしたわけではありませんのでインチキだと言う意見もあるかもしれません。

ただ、けいたはやはり5年〜10年くらいの婚姻期間で見ると、本当の離婚率は10組に1組くらいなのではないかと考えています。そして、その後も少しずつ増えていき最終的に死ぬまでに離婚する割合は15〜20%くらい、つまり5組に1組〜7組に1組くらいなんじゃないかなと何となく考えています。

この数字を見て皆さんは多いと思うでしょうか、少ないと思うでしょうか。自分の周辺の夫婦を見てこっそり考えてみるのもありかもしれません。

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