前回の記事で自分と相性が良さそうな女性に出会ったところまで書きました。彼女は自分より5歳ほど年下の女性で、出会った瞬間から笑顔で気さくに話をしてくれました。特に、けいたが学生時代によく旅行に行った場所が彼女の出身地だったため、地元トークで盛り上がり、あっという間に仲良くなりました。
ご存知の方も多いかと思いますが、婚活パーティーの会話の時間はとても限られています。このときも一人あたり8分間ととても短い時間しか与えられませんでした。不思議なもので、話す相手によってはこの時間がとても長く感じられるときもあれば、一瞬のうちに終わったと感じるときもありました。彼女の場合、本当に会話が楽しかったので時間は一瞬にして過ぎ去りました。
目次
連絡先を交換し、後日食事に行くことに
意気投合したのですぐに連絡先を交換し、後日食事に行くことになりました。ほとんど初対面だったので週末に軽くランチに行くことになりました。
待ち合わせ場所で集合すると、初めて出会ったときのように彼女が笑顔で挨拶をしてくれたので一気に緊張感が解れました。この日は2時間ほどランチを楽しんだだけなのですが、本当に色々な話をしました。仕事の話や家族構成の話から始まり、行ってよかった観光地や好きな映画の話などとても楽しかったのを覚えています。けいたがバツイチであることも予めプロフィールで伝えてあるため、念の為訪ねてみると、
気にならないわけではないけども、その人の人間性は自分で判断すれば良い
と言ってくれました。そしてその後は何度か連絡を重ね、再び食事に出かけることになりました。前回は軽くランチをしただけだったので、今回は飲みながらもっとゆっくり話をしたいと伝えると快く返事を返してくれたのでした。このときばかりは気分がとても明るくなったのを覚えています。
この日はディナーに出かけました。といっても決して高級なお店ではなく手頃な値段の割には味が美味しいと評判の庶民的なイタリアンのお店を選びました。前回はけいたもそれなりに自分の話をしたのですが今回は彼女がたくさん話しをしてくれました。職場でこんなことがあった、地元でこんなことがあった、友達にこんな人がいる・・・などなど、相変わらず元気に明るく話をしてくれるのでした。
けいたは基本的に性別や年齢に関わらず人の話を聞くのが好きな方なので、このときはおそらくテキトーに相槌を打っていただけなのかもしれませんが聞いているだけでも全く苦になりませんでした。
食事のあと、もう少し話をすることに
そうこうしているうちにあっという間にラストオーダーの時間がきてしまい退店することになりました。今日はここで終わりかな?と思っていたところ彼女から
もう少しお話したいのでこの後少しお茶でもしませんか?
と提案がありました。けいたは翌日早朝から予定があったためできれば早めに帰宅しようと思っていたのですが、会話も楽しかったしせっかくなのでもう少し一緒にいることにしました。
すぐ近くの喫茶店に入り、席に座ってお互いコーヒーを注文し終わると、彼女から
伝えておかなければならないことがある・・・
との一言がありました。今まで明るかったのに急に暗い表情になったので少し驚いたのですが、話を聞いてみると、彼女は数年前に心を病んでしまい今も治療中とのことでした。初対面の人に対しては明るく振る舞えるが、徐々に関係が深くなると相手を傷つけてしまったり、ときにおかしな行動に出るかもしれないとのことでした。
そして彼女自身が過去にしてしまった色んな過ちについても話してくれました。ちょっと道を外れた程度のことであればよかったのですが、けいたにとってはドキツい内容で少し受け入れがたいことでした。
この日は「色々話をしてくれてありがとう」とだけ彼女に告げてお別れをしました。そして結局この日から彼女とは連絡が取れなくなってしまいました。
理由はわかりませんが、自分の秘密を話すことによって次にけいたとどう接したらいいのかわからなくなってしまったのかもしれません。これは本人から聞いたわけではないので何とも言えませんが、彼女にとってはけいたがバツイチであると初めからわかっていたため逆に話やすかったのかもしれません。人には言いにくい秘密を抱えている人にとって全く問題がない人よりもちょっと問題がある人(バツイチが問題かどうかはさておき)の方がお互い様なので変に気負いする必要はなくなります。
結局、けいたにとっていわゆる婚活と呼ばれるものに取り組むのはこれで最後になりました。
婚活は相手を恋愛対象や旦那or妻候補になるかどうかを判断するところから始まる
婚活パーティーで仲良くなった女性と結局上手くいかなかったわけですが、このことがけいたが婚活を止めた原因ではなく、別の理由がありました。やはり、タイトルにもあるように相手をパートナー候補になるかどうか判断するところから始まるから疲れてしまったというのが大きな理由です。もちろん人によりますのであくまでもけいたの場合はこうだったとお考えいただければと思います。真剣に結婚相手を探している人にとっては(もちろんけいたも最初はそのつもりだった)、相手が候補になるかどうかをしっかりと見定めることが重要になります。
実は,けいたはその後も数回婚活パーティーというものに参加してはみたのですが、婚活というものは男女が将来のパートナー探しを行う活動のこと。そんなの当たり前と言ってしまえばそうなのですが、けいたにとっては、初めから相手が「恋愛対称になるかどうか」や「パートナー候補になるかどうか」といった視点で接することにどうも違和感を感じてしまったのでした。なんだかお互いがショーケースに並んだ商品を見比べているような気がしてならなかったのです。
まず全てといっていいほど婚活では初めにプロフィールを交換するところから始まります。お互い初対面なので自己紹介をしつつ、自分がどんな人間なのかを相手に知ってもらい、自分も相手のことを知る・・・というところからスタートするわけです。
出身地の話、仕事の話、趣味の話、家族構成の話、好きな食べ物の話などなど会話のテーマはその都度色々あるわけですが、プロフィールにはこれら以外にも年齢、年収、婚姻歴なども記載しなくてはなりません。これはプロフィールというより良くも悪くもステータスと呼んだほうが良いかもしれません。
参加者はまさにこの年齢、年収、婚姻歴などを特に気にするわけです。けいたの場合、年齢は当時30代前半で年収は平均よりもちょっと高め。決して男前ではないもののここだけ見れば一般的に悪くない条件でした(おそらく)。しかし、婚姻歴に関してはバツイチであるためマイナスからのスタートでした。
もちろん、これは自己申告制ですので婚姻歴を空欄にしたり嘘をついたりできます。しかし、嘘をつけない性格のけいたは正直に婚姻歴を書いていたので相手がプロフィールを見ているときにあからさまに複雑な顔をするのを毎回目の当たりにしていました。
婚姻歴に関しては仕方のないことなのでこればっかりはどうしようもありません。ただ、ステータスを見て相手を品定めするかのような知り合い方にどうしても馴染めなかったのです。
恋人候補や将来の結婚相手にはならなくても異性の友達として素晴らしい人だってたくさんいるはずです。でも婚活の場面では初めからそういった視点ではお互いを見ないため友達として仲良くなるということができないのです。みんな結婚相手を探しに来ているのに「自分は友達として仲良くしてくれる人も探している」と言ったらたしかにちょっと変な気もします。それならわざわざ婚活パーティーにこなくても同好会のようなところへ参加したっていいわけです。